現在IT業界においては、IOTやビッグデータ等様々なトピックでのプロジェクトが行われており、人材が枯渇しつつあります。必要なIT人材を確保できず、イノベーションや新規事業開発に出遅れてしまっている企業もあります。このような状況で、注目を浴びているのが外国人エンジニアの採用です。

高まる外国人エンジニアの需要。その理由は?

IT化の促進、新技術や新事業領域の拡大

IT業界ではエンジニアの人材不足が深刻な問題となっています。経済産業省も深刻なIT人材不足を予測しており、この傾向はより加速される見込みです。人材不足の背景として、大規模なIT化の促進、新技術や新事業領域の拡大による非IT産業からのIT人材求人の増加が挙げられます。つまり、全産業的に人材が不足している状態となっているのです。そのため、優秀なエンジニアの獲得競争は熾烈を極めています。
「・マクロな規模でのIT人材(IT企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材)は、現在の人材数は約90万人、不足数は約17万人と推計された。今後2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、より一層不足数が拡大する。(中略)
・情報セキュリティ人材は、現在約28万人、不足数は約13万人であるが、2020年には不足数が20万人弱に拡大。
・先端IT人材は、現在約9.7万人、不足数は約1.5万人であるが、2020年には不足数が4.8万人に拡大。」 経済産業省の認識(「IT人材の最新動向と調査(2016年)」より引用)

外国人エンジニアが日本で働くメリットとは?
能力やスキルを活かすチャンス

エンジニア不足が国際競争力低下に繋がるのではないかと心配されている日本は、外国人にとっては逆に、能力やスキルを活かして仕事を得るチャンスのある国と言えるでしょう。日本は少子高齢化の影響で労働人口が減少傾向です。そこで日本政府は外国人留学生の招致やビザ要件の緩和など外国人労働者の受け入れに積極姿勢を打ち出しています。外国人エンジニアにとって日本は就労のチャンスが大きいでしょう。

働きやすい労働環境

 また、日本は人材不足の状況だからこそ、外国人が日本に滞在する条件を緩和やしたり、外国人の労働条件の見直しをしたりしています。つまり、以前より外国人にとって働きやすい労働環境が整いつつあります。

日本で採用されている外国人エンジニアはどのくらいいるの?


経済産業省資料「IT人材を巡る現状について(データ編)」(平成27年資料)より抜粋
 平成25年時点で、日本で採用されている外国人エンジニアは約28,000人です。IT業界全体の人数に対してはまだまだ少ない比率を占めているため、企業や国は今後も外国人エンジニアの人数を増やしていきたいと考えています。

日本で働く外国人エンジニアに日本語は必須?

必ずしも必要ではない

日本で働く外国人エンジニアにとって、高い日本語能力は必ずしも必須というわけではありません。

クライアントへの常駐や、日本語しか話すことのできないクライアントとの意思疎通が必要になった場合はコミュニケーションができる程度の日本語が必要になりますが、それも完璧な日本語を身につけていなくてはいけないというわけではなく、特にITエンジニアであれば殆どの意思疎通はコードだけで成り立ちます。

外国人エンジニアに過度な日本語レベルを求めてしまうと、敬遠されかねないので気を付けましょう。

外国人エンジニアを採用するメリット・デメリット

外国人エンジニアを受け入れる企業側のメリットとデメリットを確認します。

外国人エンジニアを採用するメリット

まず、人員の確保という点は言うまでもありません。特に若手を採用して育成したい企業にとって、母体数が少ない日本での採用は年々難しくなっています。国の括りを外し世界に採用ターゲットを広げれば、人員確保に留まらず、優秀な人材を採用できる確率も高まります。
また、現在もしくは将来的に海外進出を計画している企業であれば、自社や日本を理解した外国人人材は海外進出の大きな助けとなるでしょう。

外国人エンジニアを採用するデメリット

外国人エンジニアの場合、文化の違いから労働に対する意識が大きく異なる可能性があります。そのため、どうしても周りの日本人社員との整合性が取りにくいことがあるようです。また、コミュニケーション不足から誤解やすれ違いが起き、業務に影響を及ぼすケースも少なくないようです。外国人エンジニアに高い日本語能力は必須ではないと書きましたが、それはコミュニケーションを取らなくてもいいという意味ではありません。適切な声かけや気遣いをして、外国人エンジニアが企業に溶け込めるようにしましょう。

外国人エンジニア採用。今後の課題とは?

 激化する外国人エンジニアの採用競争には、次の点に気を付けましょう。

(1)適正な賃金を払う

日本のエンジニアの賃金は、その業務の専門性に対して低く定められています。特にアメリカやイギリスと比較すると大きな差があります。日本でエンジニアを採用すれば安く済むという考え方を改め、作業内容に見合った賃金を払うことで優秀な人材を確保できる可能性が上がります。

(2)ブリッジ人材を雇用することでコミュニケーションを図る

日本語の話せないエンジニアを採用することに躊躇する企業は多いですが、それではいつまでたってもエンジニア採用することはできません。それよりも英語でコミュニケーションの取れるブリッジ人材を多数採用することで外国人エンジニアとの橋渡しを担ってもらうようにしましょう。日本中心で考えていると英語や多言語でコミュニケーションされるエンジニアから見放されてしまいます。

(3)柔軟な働き方を認める

 エンジニアは出社をしないリモートでの働き方や、パラレルキャリアを望むことが多くあります。縛られた働き方は、優秀なエンジニアであればあるほど他社への流出リスクが高まってしまうので、柔軟な働き方を認めましょう。

優秀な外国人エンジニアを紹介しています。

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